国際ロータリー 第2530地区
2002〜2003年度 ガバナー 阿久津 肇 |
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親愛なる地区ロータリアンの皆様
2回に亘るGETS(ガバナー・エレクト研修セミナー)、そしてアナハイムでの国際協議会の研修を受ける頃は、不安と緊張感に満ちた出発でしたが、同期のガバナーエレクトとの交流や連帯感などに恵まれ、責務の重大さを認識しつつも、少しずつ心構えが出来てきました。
国際協議会において、ビチャイ・ラタクルRI会長が、
[Sow the Seeds of Love 慈愛の種を播きましょう]
というテーマを発表されました。心温まるしかも奉仕の原点を指摘された言葉であり、やはりわれわれと同じ東洋人の心を感じました。
ビチャイ・ラタクルRI会長には、国際協議会終了後エバンストンのロータリー本部でもお会いしました。温厚で物静かですが、いったん決意したら妥協をしない強い意志を持たれた方という印象を受けました。
ロータリーは誕生以来まもなく100周年を迎えますが、これまでのロータリーの発展の歴史を辿り、先人の業績を称えるとともに、この機会に私たちは21世紀のロータリーを展望し、確かな信念をもって新たな挑戦をしなければなりません。現状維持から進歩は生まれません。現在の状況に安住することなく変革を進めましょう。
そしてビチャイ・ラタクルRI会長は、クラブこそがロータリーの核心であるとロータリーの基本への還帰を訴えられました。即ちクラブの充実こそが最も重要で、しかもそのクラブを充実するにも、上意下達(トップダウン)でなく、草の根レベルから立ち上がる(ボトムアップ)でなければならない。
クラブになにをすべきかを告げるのではなく、クラブ自身が地域あるいは世界を視野に入れてなにをすべきかを自ずから考え行動することを求めています。
また、職業分類の原則も重要であります。時代が変遷してもこれがロータリーを他の団体から際立たせてきた基本であるからです。
100周年を目前にして重要課題が提示されています。即ち[ポリオ撲滅]、[会員数150万人の達成]、[ロータリー財団年次寄付一人100ドル]であります。
これを踏まえて私は地区の目標を次のように設定しました。
1.会員増強と退会防止、そして拡大
2.新会員オリエンテーションの充実
3.広報の重視
4.新世代の育成
5.ロータリー財団の推進
6.米山記念奨学会への協力
1.会員増強と退会防止そして拡大
2001〜02年度に提唱された「ロータリーの全世界での探求 Global Quest」が2002〜03年度も継承されます。このキャンペーンにより会員減少に歯止めがかかり、少しずつ増強の兆しが見えてきましたが、しかしここで一息つくことは許せません。
ロータリー100周年の2005年までに全世界でのロータリアン150万人達成という大きな目標がありますので、地区としても最優先課題とし、3,000人の確保に全力を尽くしたいと考えています。
また拡大は、ガバナーの第一の責務とされていますとともに会員増強の強力な手段でもあります。現在いわき区と県北第一区が有力視されていますので、その火種を大切にしたいと思います。
更に女性会員への呼びかけも適切な人がいればもっと積極的な働きかけが必要であります。
2.新会員オリエンテーションの充実
地区の活性化のためにも新会員とくに若い会員の獲得は不可欠であります。しかし折角入会してもロータリーを理解しないで、また溶けこめないまま退会してしまった例も少なくないことを反省し、早い時期のオリエンテーションと適切なカウンセラーの委任などの体制を整える必要があります。
また入会式は、新会員にとって歓迎され、特別な日となるように各クラブで意義のあるものにして下さい。そしてあらゆる情報、ウェブ・サイトを含めた21世紀に見合った教育プログラムを提供し、意欲あるロータリアンの育成を心掛けて下さい。
3.広報の重視
地域社会の人々にロータリーがどのくらい認知されているか甚だ心許無い状況で、ロータリーをよく知ってもらうには、もう少し積極的な活動が求められます。
地域に密接した、あるいはニーズにかなった奉仕活動を目指すことも必要でしょうし、また現在実施しているロータリーの多方面に亘る行事や活動(例 PETS、地区協議会、地区大会、ロータリー財団奨学生、米山記念奨学生、青少年交換、GSE、IM、その他各クラブで実施している様々な奉仕活動など)を広くマスコミがとりあげてくれるように情報の提供をし、マスコミの協力が得られるよう務めなければなりません。
マスコミとの協力関係を強化するためにも懇談会などを設け定期的な開催も計画しています。
4.新世代の育成
新世代は、次の社会の担い手であり、現在の世情を考えるとその健全な育成は緊急かつ重要であります。
現在地区には、インターアクトクラブが10クラブ、ローターアクトクラブが7クラブありますが、この増強を計りたいと思います。1クラブで困難な場合には複数のクラブの提唱も期待します。提唱クラブに余り経済的な負担がかからないような方策も検討を要します。またインターアクトよりもっと若いユースアクト(小学生、中学生)のボランティア活動への働きかけも考慮したいと思います。
5.ロータリー財団の堆進
ロータリー財団が誕生してから85年になりますが、時代の変遷とともにまたニーズによりロータリー財団の活動も多岐にわたり、複雑になり分かりにくいといわれておりますが、ロータリー100周年を迎えるにあたって多くの課題があります。即ちポリオ撲滅宣言のためになお8,000万ドルの資金が必要であること。日本のロータリーアンはポリオのプロジェクトは、既に終了したと考えている人もいますが、確かにその大部分は達成していますがまだ完結していません。意識を喚起して最後の締めくくりをしなければなりません。
またロータリー財団への年次寄付一人100ドルも要請されています。日本では全国平均額では100ドルを超えていますが、残念ながら2530地区では2000〜01年度で86.62ドルですので、もう一段の努力が必要です。私は、アナハイムの国際協議会で29万ドルの寄付を明記してきました。この額は、富永、佐原年度と同額ですが従来達成率が87%前後ですので、これを限りなく100%に近づけたいと考えています。
更に最近の動向を勘案すると、ロータリー財団のシフトを教育的カテゴリーから人道的カテゴリーに少し変換させることも必要であります。
GSEは、3,800地区(フイリッピン、メトロマニラ)と実施します。
受入れ2002年10月、派遣2003年3月の予定です。
6.米山記念奨学会への協力
日本のロータリーの独自のしかも誇るべき奨学事業ですが、現在年間約1,000名の来日留学生に奨学金を授与しています。
ご承知のように日本ではロータリー財団国際親善奨学生は派遣が多く、受入れは少なく(例2001〜02年度派遣411人 受入れ21人)言語、風俗、文化などの理由があるにせよ、これは先進国では異例のことであります。しかし、来日留学生の奨学制度である米山記念奨学会はそれを補完する意味もあります。
最近不況の影響もあって寄付額が落ち込んでいます。米山記念奨学金の重要牲を考慮し、寄付の協力を期待します。具体的に目標は一人平均寄付額が全国平均額約15,000円に近付くことを念願しています。
またなるべく多くのクラブに奨学生の世話クラブになって欲しいと思います。(現在まで63クラブ中35クラブが経験)。大学の所在地の関係で困難なこともありますが、奨学生と身近に接することで理解が深まります。
なお2000年度からクラブの周年記念に10万円以上の寄付をすると表彰品が授与され、地区大会または公式訪問の時に手渡されることになりました。 |
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